なぜボールは曲がるのか
ボールが曲がる原因とは?
最新の科学的な検証によって、ボールが曲がる原因がはっきりしてきました。
検証によるとボールが曲がる原因は、スイングの軌道のよりもインパクトでのフェースの向きの方がはるかに影響が大きいということが解明されています。
つまり、アドレスでターゲットに対して真っ直ぐに構えたフェースの向きが、インパクトで再現できないからボールが曲がるというわけです。
この事実からボールを狙ったところに真っ直ぐに打つためには次の2つのポイントが重要だということが分かります。
- アドレスでクラブフェースの面をターゲットに対して正確に真っ直ぐに向けておく
- アドレスで構えたとおりに正確にクラブフェースを戻す
文字にすると簡単ですが、その単純なことができないから多くのゴルファーは苦労するわけです。
今回はその最新の科学が導き出した事実を踏まえたうえで、ボールが曲がる原因について更に深く踏み込んで考えてみたいと思います。
インパクトでアドレスの
フェース向きを再現するには
押さえておくべき2つの関係性
まずアドレスでクラブフェースをターゲットに対して真っ直ぐに向けることに関しては、誰でも少し注意すれば簡単にできることなので今回は省略します。
※ここから先はアドレスでのクラブフェースの向きは正確にターゲットに向けているというのを前提に話を進めていきます。
次にこのテーマの肝である「どうやって正確にインパクトでアドレスのフェースの向きを再現するか」という問題ですが、それについてはまず次の2つの関係性を理解しておく必要があります。
- インパクトでのフェースの向きとシャフトの角度との関係
- 切り返しの動きとインパクトでのシャフトの角度との関係
この関係性を理解することでミスの原因だけではなく、ゴルフスイングの真実というものが見えてくるはずです。
ではひとつずつ分かりやすく解説します。
インパクトでのフェース向きと
シャフト角度の関係
スクエアなインパクトの原理とは
通常ダウンスイングからインパクトでは、振り下ろすクラブにスピードが付くため、クラブが先の方に倒れるトゥダウンという現象が起きます。
そのためインパクトでのシャフトの角度はアドレス時のシャフトの角度より少しだけクラブが立った形になります。
身体の動きで言うと上の写真のようにアドレスした時よりもインパクトの方がややハンドアップの形になるということです。
このトゥダウン(ハンドアップ)の動きによってクラブフェースは開く動きになります。
しかし、それと同時にダウンスイングからインパクトではシャフトのしなり戻りでクラブフェースが閉じる動きも加わってきます。
スピードがついたスイングでは、このトゥダウンによるフェースが開く動きと、シャフトのしなり戻りによるフェースが閉じる動きが相殺されてクラブフェースが真っ直ぐなインパクト、つまりアドレスのフェースの向きが再現されたインパクトが作られます。
クラブのライ角をその人身長や動きに合わせて調整しておくことや、スイングスピードによってのシャフト選びが必要があるのは、このトゥダウンとシャフトのしなり戻りの関係によってインパクトでの真っ直ぐなフェース向きが作られるからです。
フェースの向きを壊す
オーバーハンドアップ
しかし、多くの方がある動きのミスによってこのインパクトのハンドアップの動きが大きくなるという変則的な動きをしています。
いわゆる下の写真のように手元が浮いたインパクトです。
この動きを私の理論ではインパクトのオーバーハンドアップと呼びます。
私はこのインパクトのオーバーハンドアップの動きがクラブフェースをアドレスでセットした向きに正確に戻せない最大の原因であり、様々なミスの連鎖を生む根本原因であると考えています。
ボールが左右に曲がるメカニズムとは
先程ご説明したようにハンドアップの動きによってクラブフェースは開く動きとなります。
ハンドアップの動きが大きくなると、それによってクラブフェースの開きも大きくなります。
つまり、オーバーハンドアップの動きになるとインパクトでフェースの開きが大きくなるためボールが捕まらないスライスボールのミスが出てしまいます。
次にスライスとは逆のフック系のミスというのは、このオーバーハンドアップからのフェースの開き過ぎによるスライスのミスを防ごうとして強引に手を使うことで生まれるミスだと考えられます。
つまり、左右どちらのミスもオーバーハンドアップの動きが元になっているということです。
そして、その両方を経験した後に陥ってしまうのが、右ミスを嫌がって左、今度は左ミスを嫌がってまた右というミスの連鎖を引き起こすサイクルです。
多くのゴルファーがまさにそのサイクルから抜け出せなくなってしまうことで上達できない迷路にどっぷりとハマってしまうのです。
切り返しの動きと
インパクトのシャフト角度の関係
インパクトでのシャフト角度は
切り返しの動きで決まる
上達できない迷路から抜け出す為には、ボールが曲がる根本的な原因であるインパクトのオーバーハンドアップの動きを修正するしかありません。
そこで重要なのが、2つ目のトップからダウンスイングへの切り返しの動きとインパクトのオーバーハンドアップとの関係性を理解することです。
先程、ある動きのミスによってハンドアップの動きが大きくなると書きました。
そのある動きのミスとういのが、ダウンスイングのスタートである切り返しの動きのミスです。
切り返しの動きのミスとは、バックスイング上げたクラブの軌道よりも切り返しでクラブを立てて下ろしてしまうことです。
切り返しでクラブが立つと下の写真のように上げたクラブ軌道(赤ライン)に対して下ろすクラブ軌道(青ライン)がクロスした形になります。
この現象を私の理論では切り返しのミスからのクロスダウンと呼んでいます。
実はこのクロスダウン現象こそが手元が浮いたインパクトになる唯一の原因なのです。
そして、切り返しでクラブが立つ動きが大きくなる程にクロスダウンの動きも大きくなり、それに比例してインパクトでのハンドアップの動きも大きくなります。
切り返しが良くなれば
インパクトも良くなる
逆に切り返しでクラブが立たなくなれば、自然にインパクトのオーバーハンドアップも抑えられます。
そうなるとインパクトでのフェースの向きもアドレスでのクラブの向きを再現できるのでボールは曲がらなくなります。
つまり、ボールが曲がる問題は切り返しの動きを良くすることでほぼ解決できるということです。
切り返しでクラブが立てない動きによって
クロスダウンが自動的に修正されます。
クロスダウンの修正により、インパクトのオーバーハンドアップの動きも改善されます。
まとめ
- ボールはインパクトでのフェース向きによって曲がる
- インパクトでのフェース向きが崩れる原因はオーバーハンドアップの動きである
- オーバーハンドアップの原因は切り返しの動きのミスである