ゴルフスイングというものは大きく分けて2つの動きの組み合わせで作られます。
ひとつはクラブの動き、そしてもうひとつが身体の動きです。
当然クラブの動きが良くなると身体の動きも自然と良くなることもありますし、またその逆もあります。
しかし、スイングを作る作業においてはこの2つは別々に考えた方がその作業は格段にシンプルになります。
クラブの使い方は物理学的に考える必要があります。
またそれに対して、身体の使い方は解剖学的に考える必要があります。
最終的にはこの2つの動きは同調するものなので、一般的には2つを同時進行しながらスイングを作っていくのが効率的だと思われています。
しかし私の考えはその逆で、この2つを最初から混ぜ合わせてしまうと思考と動きの両方でスイング作りは複雑なものになってしまいます。
クラブと身体の動きの役割と
練習での注意点とは?
クラブの動きはミート率に直結する
クラブフェースの芯に上手く当たるか当たらないか、つまりミート率の良し悪しはほぼクラブの動かし方によって決まります。
特にトップからダウンスイングへの切り返しでのクラブの動きはインパクトクラブヘッドの動きに大きく影響します。
クラブの特性と物理的な動きから考えると、切り返しからクラブヘッドをインサイドの軌道に乗せることでミート率の高いインパクトが作れます。
身体の動きがクラブヘッドに
エネルギーを与える
物理的なクラブの動きに対して、身体の動きは解剖学的に考える必要があります。
根本的な人間の関節や筋肉の特性を知ることで意識的に上手く身体を使うことができます。
身体の使い方の中で特に重要なポイントが胸を回転させることです。
胸の回転を上手く使うことで切り返しからインパクトに向かってクラブヘッドにスピードを与えることができます。
ヘッドスピードが上がれば当然インパクトでのボールに伝わるエネルギーも大きくなります。
ミート率アップの練習とヘッドスピードアップの練習は同時にやらない!
このようにクラブの動かし方はミート率に直結し、身体の動かし方はクラブを振るスピードに大きく影響します。
このミート率とヘッドスピードの両方を同時にアップさせようと練習する練習は危険です。
クラブと身体の動きを同時に意識してスイングするのはとても難しいことです。
ほとんどの方は2つの動きがお互いの正しい動きの邪魔をして複雑で当たらない動きを作ってしまいます。
その問題は、逆にこの2つの動きを完全に意識分けして練習することで解決できます。
スイング作りと調整が
シンプルになる練習法とは?
クラブと身体の動きを分けて練習する
このクラブ動きと身体の動きを覚えながら実践的なスイングに仕上げていくためには、
「クラブの使い方は素振りで覚えて、ボールを打つ練習では身体の動きのみ意識する」
という練習法がおすすめです。
「素振り→クラブの動きに集中」
「ボールを打つ練習→身体の動きに集中」
どちらも中途半端にならないようにしっかり意識を分けて練習することが大事です。
(逆でも良いのですが、ボールを打ちながらクラブの動きを意識することは難しいことなのでこのパターンはあまりおすすめしません)
この練習法を続けていくとクラブと身体の2つの動かし方が徐々に上手くなっていきます。
そして、その先にお互いの動きの組み合わせ方も自然と分かってきます。
そのレベルになればスイングを調整する際にも、クラブと身体のどちらの動きにエラーが出ているのかも分かりやすくなり、スイングの管理もシンプルなものになってきます。