上達を妨げる危険な動きとは

「身体を閉じてインパクトする」

よく聞く動きの説明だが、これは非常に危険なやり方だ。

この場合の身体を閉じろとは上半身のことだろう。

もっと細かく言うと、肩を開かないようにインパクトするという表現がわかりやすいかもしれない。

そして、必ずそこにセットなのが腰の回転だ。

「肩を開かないで腰の回転で打つ」

一般的には、この動きの関係性が正しいと思い込んでいる方は多いはずだ。

しかし、私の理論ではこれは間違ったやり方だ。

いや厳密に言えば、完全に間違っているわけではない。

それは、身体の柔らかいジュニアや女性ゴルファーにはこの動きのイメージが合う場合が多いからだ。

しかし、多くの男性アマチュアゴルファーの場合はこの肩を閉じて腰を開くというやり方はスイング的に最悪な動きになる可能性が高い。

最悪な動きとは、肩も腰も両方共に閉じたインパクトになるということだ。

そもそもの間違いは人間の腰(腰椎)はほぼ捻ることができないという点だ。

腰椎の捻れる角度は普通の人で1度から3度ほどだ。

それに対して胸(胸椎)は誰でも45°近くも捩れるようになっている。

この身体の構造を考えても腰を回せというのには無理がある。

回せと言うのなら、大きく捻ることができる胸というのが正解だろう。

私の経験上、ダウンスイングからインパクトが腰が止まる人に腰を回す意識でとアドバイスしても動きは一向に変わらない。

しかし胸を回してと言うと、ほとんどの人が胸の回転に連動して腰も十分に回転したようなスイングになる。

この回転したようなというのが正しい表現だ。

つまり、腰は単独で回転しているわけではないということだ。

胸が大きく回転するので、連動して腰も回転しているように見える。

これがゴルフスイングの腰の回転の正体なのだ。

そういう意味で、身体の柔軟性が少ない成人男性が(肩を開かないように)胸の回転を止めてしまうと腰の回転もきっちりと止まるという悲惨なスイングになる。

しかし先程説明したように、これが身体が柔らかいジュニアや女性の場合はそういうスイングにはならい可能性がある。

身体が柔らかすぎる人は、その柔らかさ故に胸が捻れ過ぎてインパクトでクラブの振り遅れが発生してしまう。

そのミスを防ぐためには、肩を開くなというやり方はありだ。

なぜなら、柔らいタイプの人は肩を閉じたつもりで丁度良い回転になるからだ。

つまり、この肩を開かないで腰の回転で打つというやり方は万人向けではなくて身体の柔軟性がある人のみに有効的なやり方だと言える。

そして、もう一つこのやり方で危険なのが怪我の問題だ。

肩を止めて本来捩れない腰だけを無理に回転させようとすると腰を痛める可能性が高くなる。

健康のためにやってるはずのゴルフで怪我をしてしまっては本末転倒だ。

上手くなりたいために、いろいろな情報を試してみることは良いことだ。

しかし、巷に流れている情報には危険なものも多々ある。

このブログを読んもらっている皆さんにはそういった危険な情報に流されないように、くれぐれも気を付けてゴルフを楽しんでもらいたい。

下田 信司

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